長野県佐久市に本社を構える吉田工業株式会社は、アルミ鋳造と精密切削をコア技術とする製造企業です。1965年の創業以来、自動車部品を中心に高品質な製品を提供し続けています。本記事では、吉田工業の特徴と強みを徹底解説します。おもなトピックスは次の3つです。独自の一貫生産体制アルミ鋳造技術の特徴品質管理への取り組み吉田工業の主要製品や最新の技術開発についても紹介します。製造業のパートナー企業を探している方、アルミ鋳造技術に興味がある方は、ぜひご覧ください。目次吉田工業株式会社の基本情報引用元:吉田工業株式会社公式HP会社名吉田工業株式会社本社所在地〒384-2202長野県佐久市望月内匠2166番地1電話番号0267-53-2151佐久平プラント〒385-0021長野県佐久市長土呂793番地13設立1965年8月対応可能な加工法グラビティ鋳造、旋盤加工(チャッカー、バーフィーダー)、マシニング加工(3軸、5軸)、フライス、ねじ切り、タッピング、孔あけ、切断、平面研削、CNCセンタレス研削、ホーニング、放電加工など)機器設備3Dプリンタ、熱間湯口切り機、熱間湯口切断機、保持炉、CNC旋盤(チャッカーマシン)、バレル研磨機、パンチ式孔開け機、インサート圧入機、三次元測定器、CAD/CAMソフト主要製品産業部品(機械、OA機器など)、建機、自動車など公式サイトURLhttp://yoshidanet.com/吉田工業株式会社は、1965年の創業以来、アルミ鋳造と精密切削を得意としてきた加工会社です。これまで、自動車の重要保安部品を一貫して手がけてきましたが、近年では蓄積した技術力をさらに多方面の顧客に提供しています。油圧耐圧製品で培ったアルミ鋳造製品は、シェル中子を併用することで各種複雑な回路を一体成型して、暖めたり冷やしたりするサーマルコントロールの分野でその真価を発揮させており、砂型積層3Dプリンターによる事業もスタートさせました。圧倒的なリードタイムの短縮と金型レス試作を実現しています。海外では中国とタイに生産拠点を置いており、今後拡大が見込まれるアジア圏を舞台にグローバルに活動しているのも、吉田工業ならではのメリットといえるでしょう。人を大切にする「人本経営」を目指しており、社員が高い志と夢を持ち、日本製造業を元気にしていきたいという志をもっているのも特長です。何よりもものづくりが大好きなメンバーがそろっており、顧客の困りごとやニーズに的確に応えてくれます。全社員一丸となって、世界水準の高品質な製品づくりに注力してくれる会社です。吉田工業の最新技術と革新的な取り組み引用元:吉田工業株式会社公式HP吉田工業は、長年培った鋳造技術と最新のデジタル技術を融合させ、製造業の未来を切り開いています。ここでは、3Dプリンティング技術の活用やIoT・AIを駆使した生産管理システムについて詳しく解説します。3Dプリンティング技術の活用吉田工業は、伝統的な鋳造技術と3Dプリンティング技術を組み合わせた革新的なアプローチを採用しています。試作品製作から量産まで、より効率的かつ柔軟な生産プロセスを実現。具体的には、3Dプリンターを使用して砂型を直接造形する「砂型積層」技術を導入しています。従来の金型製作が不要となり、試作品の製作期間を大幅に短縮することが可能になりました。さらに、複雑な形状の部品でも、データから直接造形できるため、設計の自由度が高まっています。この技術の導入により、以下のようなメリットが生まれています。試作品製作の納期短縮コスト削減複雑形状の実現設計変更への迅速な対応吉田工業は、この技術を活用して、自動車部品だけでなく、さまざまな産業分野への展開を図っています。少量多品種生産や高付加価値製品の製造において、3Dプリンティング技術の強みを発揮しています。IoTとAIを活用した生産管理システム吉田工業は、生産効率の向上と品質管理の強化を目的に、IoTとAIを活用した先進的な生産管理システムを導入しています。工場全体の稼働状況をリアルタイムで把握し、生産プロセスの最適化を図っています。システムの主な特徴は以下の通りです。工作機械の稼働状況の可視化: 各機械に取り付けられたセンサーからデータを収集し、稼働状況をリアルタイムで監視します。AIによる生産計画の最適化: 収集したデータをAIが分析し、最適な生産計画を提案します。予知保全の実現: 機械の異常を事前に検知し、計画的なメンテナンスを可能にします。品質管理の強化: 製造プロセスのデータを分析し、品質のばらつきを最小限に抑えます。このシステムの導入により、吉田工業は生産効率を約20%向上させることに成功しました。不良品率の低減や納期遵守率の向上にも大きく貢献しています。さらに、このシステムは人材育成にも活用されています。従業員の技能レベルや生産性を可視化することで、適切な教育プログラムの提供や公平な評価につなげています。吉田工業は、これらの最新技術と革新的な取り組みを通じて、製造業のデジタル化を推進し、競争力の強化を図っています。今後も、技術革新と人材育成の両面から、持続可能な成長を目指していくことでしょう。「ものづくり大賞NAGANO2022」大賞受賞引用元:吉田工業株式会社公式HP長野県の製造業を代表する企業が集う「ものづくり大賞NAGANO2022」において、吉田工業が大賞を受賞しました。革新的な技術と地域経済への貢献が高く評価された結果です。受賞の概要吉田工業は、2022年10月21日に開催された「第28回ものづくりNAGANO応援懇話会」において、「ものづくり大賞NAGANO2022」の大賞を受賞しました。この賞は、長野県内の製造業において優れた技術や製品を持つ企業を表彰するもの。県内製造業の発展に大きく貢献。高度な鋳造技術と革新的な生産システム。そして、AIやIoTを活用した生産管理システムの導入や、環境に配慮した製造プロセスの確立も高く評価されました。受賞製品の特徴吉田工業の受賞製品は、自動車用エンジン部品です。この製品は、以下のような特徴を持っています。高精度な鋳造技術: 複雑な形状の部品を高精度で製造することが可能です。軽量化技術: 従来の製品と比較して約20%の軽量化を実現しています。環境配慮: 製造プロセスにおいてCO2排出量を大幅に削減しています。高い耐久性: 厳しい品質基準をクリアし、長期使用に耐える耐久性を実現しています。これらの特徴により、自動車の燃費向上や環境負荷の低減に大きく貢献しています。吉田工業の技術力は、自動車産業以外の分野にも応用可能であり、幅広い産業への展開が期待されています。吉田工業の今回の受賞は、長野県のものづくり産業全体にとっても大きな励みとなっています。基本的な加工の流れ引用元:吉田工業株式会社公式HP開発から製造、品質保証までを一貫体制で製品を提供しているのが吉田工業です。STEP.1|開発プロセス顧客に最適な工法・工程・金型方案を提案するところからスタート3DCADやCAEを活用して、試作回数を最小限に抑えることで、開発品の納期を短縮するとともに、コスト削減を図っています。STEP.2|鋳造プロセスアルミ鋳物に特化した「グラビティ鋳造(重力鋳造法)」を得意としています。60台ものオリジナル鋳造機を保有。大量生産にも柔軟に対応可能です。そのほかにも、最薄2mmの「薄肉鋳造」。3Dプリンターを活用した中空品、精密、複雑形状品にも対応しています。T6処理も自社内で実施しており、短納期対応を実現しています。STEP.3|切削プロセス最新の複合旋盤や5軸マシニングセンター設備を活用することで、アルミ以外の素材にも高精度な加工を提供しています。もちろん、後加工や仕上げ加工にも対応可能です。STEP.4|試験、表面処理、熱処理プロセス製品の機能や安全性を確認する各種試験を行っています。鋳造後の熱処理や表面処理も自社内で完結。創業50年以上にわたる実績には定評があります。自動車や二輪車のブレーキ用パーツなど、重要保安部品を製造しており、品質力には自信をもっています。得意としているアルミ鋳造に特化したグラビティ鋳造とは引用元:吉田工業株式会社公式HP吉田工業が最も得意としているグラビティ鋳造とは、ひと言でいえば自重の力を利用して注湯を行う鋳造法のこと。「重力金型鋳造法」とも呼ばれています。金型内に溶湯を流し込んで、その自重だけで鋳造を行うので、品質が高い製品を作れます。金型を使用するので寸法精度や鋳肌面(いはだめん)も砂型より優れているのが大きな特長です。さらに以下のようなメリットもあります。とても複雑な形状にも対応できる空気の巻き込みが少ないので内部欠陥が少ない一方で、1ミリ以下の薄肉形状には不向きであり、対応材質もおもにアルミに限られてしまったり、金型自体の費用が高価になってしまうデメリットもあるようです。吉田工業のグラビティ鋳造このグラビティ鋳造を得意としている吉田工業では、ステンレスパイプをアルミ鋳物と一緒に鋳込む「鋳包み(いぐるみ)」という技術を活用しています。パイプと鋳物の密着度に、冷却効果を高める独自のノウハウを駆使しています。パイプ材の選定から鋳造条件の設定まで、顧客の製品価値を高めるために高い完成度の鋳包み品を提供しています。さらに県下最大級のグラビティ鋳造ラインを誇っているのも特長のひとつです。超短納期の最短5日で対応可能。1個から10万個までの大量生産にも柔軟に対応してくれます。複雑な形状や厚肉、薄肉、中空など、あらゆるニーズに挑戦しており、金型だけでなく木型、砂型にも対応しています。高品質な鋳造品を実現するために、積極的にロボットの導入も完備。より生産効率の向上を目指しています。最新の切削加工にも対応可能!引用元:photoAC吉田工業では、旋盤加工(チャッカー、バーフィーダー)、マシニング加工(3軸、5軸)、フライス、ねじ切り、タッピング、孔あけ、切断、平面研削、CNCセンタレス研削、ホーニング、放電加工など、幅広い加工サービスを提供しています。最新の複合旋盤や5軸マシニングセンターを含む100台以上の切削および研削加工機を保有しており、アルミ鋳物の2次加工や仕上げ加工はもちろん、丸棒やブロック材からの総削り出し加工にも対応しています。複雑な形状や高い精度が求められる製品も柔軟に対応してくれるでしょう。加工冶具も設計から製作まで内製しており、最適なプログラムと切削条件を導き出しています。これにより、工程を集約し短納期化と高精度加工を実現しています。吉田工業の社会貢献活動 引用元:photoAC吉田工業は、地域や社会の持続的発展に貢献するため、さまざまな社会貢献活動に取り組んでいます。環境保護や地域振興を中心に、活動を通じて地域と密接に連携しながら、企業としての責任を果たしています。災害支援活動自然災害への備えとして、吉田工業は緊急支援物資の提供や支援金の拠出に積極的に取り組んでいます。災害が発生した際には、迅速な対応を心がけ、地域住民や被災地の復旧に協力。社員のボランティア活動を支援する制度を設け、企業としての支援体制を強化しています。社員のボランティア活動支援吉田工業は、社員一人ひとりが社会貢献活動に積極的に参加できるよう、ボランティア休暇制度や活動支援の仕組みを整備しています。ボランティア休暇制度により、社員が地域清掃や募金活動、被災地支援などのボランティアに参加しやすい環境を提供。活動にかかる費用の一部を企業がサポートすることで、社員の社会貢献意識の向上を図っています。この制度は、地域に貢献するだけでなく、社員自身の成長やチームワークの向上にもつながっています。吉田工業の国際支援活動国内だけでなく、吉田工業は国際的な視点からも貢献活動を行っています。途上国でのインフラ整備や教育支援を目的に、技術や資金面でのサポートを実施。特に井戸の建設や学校施設の整備支援など、地域の生活向上に直結するプロジェクトに参加しています。物資の寄付や研修の提供を通じて、現地の人々が将来的に自立して発展していけるような支援を心がけています。サステナビリティ活動の推進吉田工業は、長期的な視点での持続可能な社会を目指し、環境や社会に配慮した事業運営を行っています。再生可能エネルギーの導入やエコ製品の開発を推進し、脱炭素社会への貢献も積極的に進めています。こうした取り組みを通じて、企業としての社会的責任を果たしながら、環境と共生する企業として持続的成長を目指しています。鋳造と切削のプロフェッショナル:おすすめ加工会社3選引用元:photoACこの記事では、これまで吉田工業の特徴について紹介してきました。もちろん、加工会社は数多く存在しています。ほかの選択肢を検討してから最終的な決定をしたい方は、以下で紹介する会社の特徴も確認してみてください。株式会社須藤機械引用元:株式会社須藤機械公式HP会社名株式会社須藤機械所在地〒379-2203群馬県伊勢崎市曲沢町685-8電話番号0270-62-8288設立1949年2月事業内容自動車部品、商用車部品、船舶部品、農業用機械部品、建設機械部品、工作機械部品、半導体装置関連部品など公式サイトURLhttps://sudokikai.com/株式会社須藤機械は、群馬県伊勢崎市に本社を置く鋳物加工の専門企業です。1949年の創業以来、高精度な鋳物加工技術を磨き続けてきました。注力しているのは小ロット多品種生産で、商用車や建機、医療機器など幅広い分野の部品製造に対応しています。素材調達から後工程処理まで一貫した対応が可能な体制を整えており、顧客のニーズに合わせた柔軟な生産を実現しています。須藤機械の強み自社開発の生産管理システム高度な品質管理体制技術提案力こちらの記事もよく読まれています!信頼と実績|高品質高精度の鋳造加工を実現する須藤機械須藤機械が鋳物加工で選ばれる理由須藤機械は、長年の経験と高度な技術力で、高品質な鋳物加工を提供しています。その実績と信頼性から、多くの企業に選ばれています。豊富な経験と専門知識最新の設備と技術一貫生産体制多様な材質への対応小ロット生産にも対応厳格な品質管理須藤機械の鋳物加工技術で、あなたの製品の品質向上を実現しませんか?専門知識と経験が、オーナーのものづくりをサポート。詳細な技術情報や加工事例については、公式サイトでご覧いただけます。株式会社北原製作所引用元:株式会社北原製作所公式HP会社名株式会社北原製作所本社〒372-0022群馬県伊勢崎市日乃出町640電話番号0270-25-1343設立1946年11月事業内容自動車部品、各種機械加工部品、機械加工用治具などの製造公式サイトURLhttp://www.kitahara-mfg.co.jp/wp/株式会社北原製作所は、長野県諏訪市に本社を置く精密機械部品の製造企業です。1959年の創業以来、高精度な切削加工技術を磨き続けてきました。注力しているのは自動車部品や産業機械部品の製造。多品種少量生産にも対応しています。設計から製造、検査まで一貫した生産体制を整えており、顧客のニーズに合わせた柔軟な対応を実現しています。北原製作所の強み高度な技術を要する厳格な品質管理システムを構築検査まで社内で一貫して行っているこちらの記事もよく読まれています!北原製作所の会社概要|強みや納入までの流れも紹介株式会社渡邊製作所引用元:株式会社渡邊製作所公式YouTube会社名株式会社渡邊製作所本社所在地〒959-1327新潟県加茂市千刈1-1-12千刈工場〒959-1327新潟県加茂市千刈3-102-1芝野工場〒959-1363新潟県加茂市芝野17-8設立1978年8月15日事業内容精密切削加工技術をベースに精密部品加工、ユニット組立、製品開発公式サイトURLhttps://www.watanabe-lab.co.jp/株式会社渡邊製作所は、東京都大田区に本社を置く精密機械部品の製造企業です。1962年の創業以来、高精度な切削加工技術を磨き続けてきました。注力しているのは航空宇宙産業や医療機器分野の部品製造。難削材加工にも対応しています。3D CAD/CAMシステムを活用した設計・製造体制を整えており、顧客の多様なニーズに応える製品開発を実現しています。渡邊製作所の強み難削材加工技術多品種少量生産への対応設計支援能力こちらの記事もよく読まれています!一貫対応OK!渡邊製作所の強みと特長を紹介最後に引用元:吉田工業株式会社公式HPここまでは、吉田工業の会社概要や特長、強みなどについて詳しく紹介してきました。アルミ鋳造に特化したグラビティ鋳造を得意としており、最新の切削加工にも対応可能。中国やタイに生産拠点を置き、アジア圏を舞台にグローバルに活動しています。何よりもものづくりが大好きなメンバーが顧客の困りごとやニーズに的確に対応してくれるのが強みではないでしょうか。全社員一丸となって、世界水準の高品質な製品づくりに注力しています。吉田工業以外にも、優れた技術や実績をもっている加工会社はたくさんあります。当記事で紹介したおすすめの会社にも、ぜひ相談してみてください。当メディアでは、次の記事もよく読まれています。ぜひチェックしておいてください!鋳造の種類と特徴をチェック!相性の良い鋳造業者の探し方マニュアル